結婚から離婚まで②

屑男23歳の春

父親の他界

 

それまで父親の経営する企業内社員食堂で父親と一緒に働いていた屑男だっただったわけだけど、父親の死で屑男は「きっと契約は無くなるし、転職活動しなきゃだな・・」と思ってたが。

 

まさかの、契約更新。

 

いや、だって23歳のガキに企業内の社員食堂とは言え、それなりに責任のある仕事をポンと任せるとは思うまいよ。

 

でも、どんな考えあっての事か、先方様。契約更新するって言うもんだからさ

屑男も耳疑ったし。なんかの冗談かと笑いそうになったのを覚えてる。

 

まぁでも、何はともあれ、父の会社を引き継ぎ、なんやかんやよくわからぬまま社長に。

んで、父親の残した財産も相続。

数千万って現金と年収で7~800万って当時じゃ想像もしないお金が舞い込むわけですよ

 

でも、突然の死別だったし当然引継ぎなんてしてないし、それまで屑男も経営なんて学んでこなかったし、っつか、多少料理は出来たけど、何もわからない同然の状態で、そりゃ順風満帆な滑り出しなんてほど遠くて、苦労は多かったし、たくさん恥もかいたよね。

でも、それでも、億万長者とは言わないまでも、年齢にそぐわない大金。

しかも、でかい金がポンってわけじゃなく、毎月それなりの高収入。

恥だってなんぼでもかいてやるし、勉強も頑張る。なんぼでも頑張ります。頑張らせてください。って感じ。

 

まぁ、そうなってくると前妻の両親なんかも目の色も変わりますわね

 

それもそのはず前妻は、二人姉妹の妹で、姉も嫁いでたしね。

自分らの面倒を見てくれる人はいないわけ。

 

そこにきて、自分の娘と一緒になった父子家庭の男が、その父親死別して大金手にしたとわかれば、出てくる話題は「ボチボチ私たちも歳だし、屑男さんも持ち家もって一緒に暮らしませんか?」的な話な。

 

のらりくらりと話をはぐらかしてはいたんだけどね。

 

その後、第二子、第三子と産まれて、前妻一人じゃなかなか子供の面倒見るのも

大変になったり、なにしろ前妻の両親の一緒に住もうって圧力が強すぎて

最終的に根負け。

自営業者だった屑男はたいしたローン組めないから、相続したお金の大半を頭金にいれ

残りは35年のローン組んで埼玉のそれなりの場所で一国一城の主になる事を決心。

 

まぁ、この決断が後々の離婚の引き金になるんだけどね。

 

この時は、自分の父親に出来なかった親孝行を、まぁこの先一緒に一生暮らす前妻の両親にしたと思って、悪い気はしなかったしね。

なにより金持ち喧嘩せずってやつで、経済的に安定してたから仲は悪くなかったわけよ。実際、子供三人もこさえたわけだしね。

 

でも、結局はそれが破綻するわけですね。

 

企業でもなんでもそうだけど、破綻する時は思いもしない所で

突如起こるわけですよ・・・

屑男の場合は、30歳回った頃、突如その悪魔の宣告が言い渡されるわけです。